大阪電気通信大学

現実に影響を与えることのできるARゲーム『AR GHOST FISH』の制作

ゲーム説明映像

ゲームコンセプト

このゲームは、

『現実』から『AR(拡張現実)』

『AR(拡張現実)』から『現実』

ARで、現実にも影響を与えよう

をコンセプトに制作しました。

使用機器

  1. プロジェクター
  2. 壁(映像を映すため)
  3. パソコン
  4. スマートフォン

概要

  • 現実世界で、プロジェクターを使い映像を流し、その映像をスマートフォンを通して見ることによって『現実に似せたARの映像』が映る。
  • スマートフォンに映ったARの映像をタッチすると現実のプロジェクターに映り込む!

プロジェクターの映像では、海に泳ぐ魚の映像が流れています。その魚の中には、スマートフォンでしか見えない『ゴーストフィッシュ』が隠れています。

なので、『現実の映像』と、『ARの映像』を交互に見比べながら『ゴーストフィッシュ』を探し出しましょう!

遊び方

1.このゲームは、パソコンとプロジェクターをつなぎ壁に映像を映し出します

2.プロジェクターの映像をスマートフォンに映す

3.プロジェクターの映像に似せたARの映像が映り込む

4.ARの映像をタッチするとプロジェクターに映り込む

利点

従来のARゲームでは、実際にスマートフォンを持って遊んでいる人にしか楽しむことができません。

そのため本制作では、実際にARを遊べるスマートフォンを持っているユーザと、眺めるているユーザ、両方に楽しんでもらえるようなゲームの製作をしました。

両方のユーザーに楽しんでもらうためには、スマートフォンの中だけでゲームが完結せず、ARと現実が相互にインタラクションを起こすことで、スマートフォンを持つユーザだけでなく、眺めるだけのユーザーにも興味を持ってもらえるのではないかと考えました。

そこで、このゲームではARのオブジェクトが現実に移動することによって周りの端末を持ってない人にも、現実の映像を通じて今ゲーム内で何が起こっているかを知ることができるようになります。

これらによって、遊んでいないユーザーの興味も引きながら、遊んでいるユーザーには現実とARの映像を行き来するという今までになかった不思議な体験を提供することで楽しんでもらうことができます。

ゲーム内のシステム

ゲーム全体のシステム

このゲームでは、プロジェクターの映像を作っているパソコンの処理とARを表示するためのスマートフォンの処理の二つをつなげる必要がありました。

そのため、パソコンの処理としてサーバーを敷設し、スマートフォンの処理としてクライアントととして、パソコンに接続することとしました。

システムの全体図

『ARから現実へ』の実装方法

このゲームの肝であった、ARから現実へを実現するためには、ARでの空間座標と、プロジェクターでの座標空間を合わせる必要がありました。

四隅4点にARマーカがある図

そこで、プロジェクターの映像の右上、左上、右下、左下の4点にARマーカーを設置することによって解決しました。マーカーを4つ設置したことにより、AR上の空間でのプロジェクターの四隅の座標をとることに成功しました。

そこで得られた4点の座標をもとにARから現実にオブジェクトを送る場合のx座標の求め方は

ゲーム内スクリーンの横幅の大きさ = (ゲーム内のカメラ距離 * Tan(視野角(FOV)/2)) * アスペクト比 * 2.0

現実でのx座標 = (AR上のでx座標 – (AR上でのスクリーンの右の値 – AR上でのスクリーンの左の値) / 2) * ゲーム内のスクリーンの横幅の大きさ/AR上のスクリーンの横幅の大きさ

によって導き出しています。

y座標も同様に、この式を応用し変換した式を当てはめることによって座標を計算しております。

さらに、AR上のプロジェクターの空間座標を固定値にしないことによってプロジェクターにARマーカーを敷設しているためにプロジェクターの映像がどの大きさになっても対応できるようになっています。

クレジット

BGM:MusMus,VSQ

作者プロフィール

奥田 大樹

担当:企画、デザイン、プログラム

大阪電気通信大学,総合情報学部,デジタルゲーム学科

情報デザイン研究室 沼田研究室

岡川 青樹

担当:プログラム

大阪電気通信大学,総合情報学部,デジタルゲーム学科

情報デザイン研究室 沼田研究室

コメント


上田 和浩2021-02-13T14:25:15

 プロジェクターに映っている魚をスマホに取り込んで、泳がせてからリリースするようなこともできそうですね。

岡川 青樹2021-02-13T14:31:54

コメントありがとうございます。

そのような機能も作れるとおもしろそうですね。

ライブラリとしてはプロジェクタ側の魚をAR側に移動させるものも構築してはいるのですが、今回のゲームでは実装には至りませんでした。
今後の課題とさせていただきます。

貴重なご意見ありがとうございます。

植野雅之2021-02-12T14:12:54

興味深い発想だと思います.
説明映像だとはっきりわからなかったのですが,表示の解像度などでARで表示されている画像とカメラの映像は差がでてしまって,簡単にわかってしまいそうですが,その問題はありませんか?

奥田 大樹2021-02-12T23:27:43

コメントありがとうございます。

カメラとARでの画像の差の件ですが、今回コロナ禍の影響で実機のプロジェクタを使い確認する機会は少なかったです。
しかし、家でも確認できるパソコンでの画面と数回テストすることのできた研究室の壁で実験してみた結果、かなりわかりづらいものになっていたのではないかと思います。

実際に動画の0:09~0:25ほどのところで、スマートフォンの画面をよく見ていただけるとARの画像が紛れ込んでいるのがややわかりづらいですが、見えると思います。
ARの魚はタッチした後、スマートフォンからは消えていますので、消えた後動画を巻き戻していただければARの魚を見つけられるかと思われます。

貴重なご意見、ありがとうございました。

池田翔一2021-02-11T22:53:23

プロジェクタを使用することによって、外部の人も見れるように出来るのはとても良いと思います!

質問です。プロジェクタで映し出されている範囲の認識でマーカーを使用していますが、範囲の認識後にマーカーを消さなかった理由はあるのでしょうか。
また、開発に使用していたライブラリを教えてほしいです!

HW17A0362021-02-12T14:43:28

コメントありがとうございます。
いいと言っていただきうれしいです。

質問についての回答ですが、マーカーに関してはプレイ中に認識のズレを感じた際などに修正するためにそのまま置いてあります。
開発に使用したライブラリはUnity 2019.3.12f1、ARライブラリにAR Foundation 4.0を使用しました。

原久子2021-02-10T19:05:51

タイトルはGHOST FISHですよね? GOSTとスペルミスのまま記載されています。 サウンドはフリーのソフトを用いたのかと思いますが、ソーシャルゲームで実際に用いられていたサウンドとかぶるので、既視感というかそういうところが損していますね。

HW17A0422021-02-10T23:46:39

貴重なご意見ありがとうございます。
誤字の方訂正いたしました。