大阪電気通信大学

点字を学ぶことを目的としたカードゲームの制作

「点字かるた」

 私が「点字かるた」を制作したいと思ったきっかけは、祖父が年齢による体調不良で入院したことです。お見舞いに行った際、祖父の言葉が明瞭でなく、なかなか聞き取る ことができなくて、会話をするのに苦労しました。その時、もしなんらかの理由で視力 が低下したりしたら、どのように会話をすれば良いのかとの考えがよぎり、小学生の頃 に習った点字を思い出し、点字を学ぶことを目的としたゲームを作りたいと思いました。
 このゲームの目的は点字を学ぶことです。点字が全くわからない、なんとなくわかる けど自信がない方に遊んでもらいたいと思い、難易度の異なる 5 つのかるたを制作しま した。プレイヤーの点字の理解度に合わせて難易度を選んだり、難しいものにチャレン ジしてもらいながら、楽しみながら点字を学んでもらいたいと思っています。

読み札

取り札

点字かるたの概要

 最初に、5 つの難易度からプレイヤーに適切な難易度のかるたを一つ選びます。読み札には、点字の位置を示す情報が示されています。取り札にはそれぞれの点字が描かれ ていて、難易度ごとに点字の位置番号や母音と子音の色分けなどのヒントになる情報を 入れています。さらに、取り札の右上には星印を描いており、この星の数で難易度を見 分けられるようにしました。また、取り札と読み札には漢字が出てきますが、振り仮名 をつけることで小学生でも読みやすいように工夫しています。

あそび方

[準備]

(1)プレイヤーから一人読み手を選びます。

(2)取り札をそれぞれ重ならないように表向きに広げます。

[進行]

(1)読み手は読み札を読み、プレイヤーはその読み札が示す取り札を探し出して
 叩きます。または「押さえる」ようにしても構いません。

(2)取り札を 1 番に叩いたプレイヤーは、その取り札が何の文字を示しているか
 を答えます。正解の場合、そのカードは答えたプレイヤーのものになります。
 間違っていた場合、2 番目にその取り札を叩いていたプレイヤーに回答権が移
 ります。誰が 2 番目か分からない場合は再度同じ読み札を読んでやり直しま
 す。ただし、回答をまちがえたプレイヤーは参加できません。

(3)これをすべての取り札、読み札がなくなるまで繰り返します。

[勝利条件]

より多くの取り札を取ったプレイヤーの勝利となります。

プレイ風景

作者プロフィール

森田 智

総合情報学部 デジタルゲーム学科
教育コンテンツデザイン研究室所属

コメント


402021-02-14T14:27:43

点字を学ぶ入り口として、とても興味を持ちました。
このカードには実際の点字の凹凸がついているのでしょうか。
『目が見えている人』が視覚のある状態で学ぶことを前提としているのか、それとも実際に街に溢れる点字を指で読むところまで誘導するような仕組みが施されているのでしょうか。
点字を学ぶ入り口としてのゲーム性に加えて、実践を見越して学べる継続性もあるものならば、購入を考える人もいると思います。
年齢を問わず楽しく取り組めそうなものなので、詳しく伺いたいです。

森田 智2021-02-14T14:45:31

コメントありがとうございます。
まず、このカードには実際の点字の凹凸はついておりません。
制作途中は凹凸をつけることを考えていましたが、取り札を取る時に凹凸をつぶしてしまうことがあったため、つけませんでした。
目的は点字を学ぶことであるため、この点字は何の文字かを理解してもらうために『目が見えている人』が視覚のある状態で遊んでいただくことを前提としています。

青柳2021-02-14T13:33:27

実際に視覚障害者の方も健常者と一緒にゲームに参加できそうで、面白いですね。

パラスポーツのようにプレイヤーは目隠しをする等の工夫・展開にも期待します。

森田 智2021-02-14T13:41:56

コメントありがとうございます。
ご期待に添えるように、頑張ります。