大阪電気通信大学

盤双六の保全とイベントの企画

制作背景

 盤双六は日本最古の盤上遊戯であり、千年以上の歴史を持ち、江戸時代まで遊び続けられていた。当時の人々の生活に深く関わりのある盤双六は次第に衰退した。最近の研究により、盤双六のルールは明らかになりつつある。私たちは、盤双六の保全とイベントを企画し、より多くの人に盤双六の魅力を知ってもらいたい。しかし、現存する双六盤の多くが経年劣化でイベント等で使用するのが困難であるため、代替品となる複製盤の制作をする。また複製とは別に個人のオリジナル盤を制作する。

制作内容

 下記の表を参考に三つの時代の盤を各一つずつを制作した。その他に、盤双六遊戯の特徴を考え、オリジナル盤を制作者それぞれ各一つずつを制作した。全部で計五台を制作した。制作する際、以下の表1を引用し表2のように現代寸法に直し制作にあたった。また現代寸法に直した図には各文献の年代も追加し、その盤がいつの時代のものかも大まかにわかるようにした。

表1 双六盤と筒の設計寸法(単位:寸)

引用文献:永田恵子氏 著 

「建築書系道具雛形における双六盤の設計論と歴史的特質」

http://www.jshit.org/kaishi_bn2/14_1nagata.pdf
表2 双六盤と筒の設計寸法(単位:cm)

複製した盤の紹介

 今回、下記の三つの時代の盤をモデルに複製した。また、江戸時代の盤は上記の表の寸法を参考に複製した。

図3 左から平安時代の盤・室町~鎌倉時代の盤・江戸時代の盤
図3 モデルとした盤 左から平安時代の盤(左)・室町~鎌倉時代の盤(中央)・江戸時代の盤(右)
制作した盤一覧
制作した盤一覧

平安時代の盤をモデルに制作した複製盤

 図3の左を参考に制作した盤。平安時代の盤は低い盤が多くコンパクトで、盤面中央部分に他の盤には存在する模様がなく質素な盤である。また、盤面にあるマス目は彫ってあるものもあれば、ペンで描かれたものもある。今回はペンで書かれたマス目の線にした。

室町~鎌倉時代の盤をモデルにした複製盤

 図3の中央の盤を参考に複製した盤。室町~鎌倉時代の盤は平安時代の盤よりやや高い。マス目は掘っており、盤の中央に模様が入っている。

江戸時代の盤をモデルにした複製盤

 図3の右を参考に制作した盤。江戸時代の複製盤は上記図1、図2に記載してある「竹内右兵衛覚書」で書かれた寸法で制作した。現存する盤より4センチほど高い。

谷川が制作したオリジナル盤

 これは木板に蓄光テープを貼り付け遊び心を入れたオリジナル盤である。特徴としては、子供でも簡単に制作する事ができ、災害によって起こる停電時にもプレイできる盤を制作した。更に中心に点線を入れることで取った相手の駒を置くスペースも分かり易くした。

オリジナルの盤1「心を灯す盤」

川田が制作したオリジナル盤

現存する盤の多くは、駒、賽や竹筒は別に持ち運ぶことになる。そこで「盤だけで持ち運べると便利だ」と思い、引き出し付きの盤を制作することにした。また、引き出しの中は盤面と同じ広さなのでルール表やその他雑貨を収納することもできる。

引き出しの様子
引き出しの様子
全体の様子
全体の様子

盤双六イベント映像

 これは8月25日、9月1,8日に行なった四條畷市連携型講座として盤双六についての講座を行いました。1日目は木子教授による盤双六についての講座、以降2日目、3日目は簡易盤制作ワークショップやそれを用いた対戦会を行なった。その様子を動画に短くまとめた。

地域連携型講座の動画

作者プロフィール

川田祥平

デジタルゲーム学科

コンセプトデザイン研究室

今回はイベントの準備、運営や制作盤の設計、組み立てを主に担当した

谷川玲央

デジタルゲーム学科

芸術創造環境研究室

今回はイベントの準備、運営や動画の編集を主に担当した。

コメント


寺田則子2021-02-13T16:40:05

制作された盤雙陸の盤を拝見しました。研究室に置かれている貴重な盤を精密に復刻していて、今後、盤雙陸を現代に普及する活動に使うことができるという点でとてもよい取り組みだと感じました。最先端のゲームを研究することと同時に、わたしたち人間が古代からどんなものに楽しさを感じてきたのかということを追求することはとても価値があると思います。限られた時間とスペースを利用して努力されたと感じました。

川田祥平2021-02-13T16:54:24

コメントありがとうございます。本制作はイベント等でも使用可能な盤の制作で本来のものと似ていなくては意味がないということで、引用資料も参考にできるだけ精密に制作させていただきました。
価値があると言っていただけて大変ありがたく思います。

上田和浩2021-02-13T15:48:06

 蓄光テープを貼った盤面がデジタルな雰囲気で面白いですね。駒も工夫するといいのではないでしょうか。

川田 祥平2021-02-13T16:02:08

コメントありがとうございます。
今回は駒までは作りませんでしたがもし駒を作ったら、盤同様に蓄光テープを用いて制作していたと思います。

原久子2021-02-09T18:05:42

卒制のwebですが、気づくのが遅れ申し訳ありせんが、、、

webに掲載された”図1,2”とありますが、これは”表1、2”ですね。
「参考文献」として永田先生の論文のリンクがありますが、
表をそのまま引用しており「参考」ではなく「引用」ですね。
https://www.nawaten.online/project/725

表をもとに新たな表を作成していればいいのですが、図1(表1)は
明らかにそのまま掲載せれており、この注の記載の仕方は「参考」
ではなく「引用」となります。
本来は永田先生の図をもとに新たに作成する方がいいですね。

川田 祥平2021-02-10T01:57:51

ご意見ありがとうございます。
引用した図はできるだけ原文のまま使いたいと思いましたので引用という形で表記し直しました。また図も表に変えました。